ソーシャルメディア依存の4つの罠。あなたはこんな罠にハマっていませんか?

LINE、Twitter、Facebook…スマホの“便利さ”と同居している危険な罠の正体とは。
『ソーシャルメディアの罠』という著書から、ソーシャルメディアの4つの罠について紹介します。
まとめる書籍
宮田 穣
著者:宮田 穣 (彩流社)
コミュニケーション学で日本で初めて博士号を取得した著者が、自分の勤務校である女子大を例にとりながら、あらゆるサンプルを集め、ソーシャルメディアに潜む罠を平易な言葉で分かり易く解説。

その1.同調圧力の罠

 

LINEにしろFacebookにしても、同調傾向を強める方向に働く同調圧力を発揮するものばかりが目に付く。LINEの頻繁なやり取り、とくに「既読機能」を通したそれぞれの存在確認は、同調圧力に間違いなく機能している。

Facebookの「いいね」機能による同調の強制、さらに申請・承認を迫る「友達機能」の頻繁な働きかけも、それらを無視することはかなり勇気が必要だろう。なぜなら、彼らが日々利用するソーシャルメディアの現実的な広がりは意外と狭く、そこをうまく乗り切っていかないと、リアルな日常場面にも直結するからである。

(80ページ)

このような現状を指摘しながら、なぜ同調の圧力がソーシャルメディアを通して機能しやすくなっている理由を2点あげている。

1.自己防衛
味方として固まることによって、集団の中で見を守りやすくなる。

2.孤独の解消
1人でいることは、ある意味で自己責任が常に問われる。責任への負担感が相対的に減ることとともに、一緒でいられることの安心感を求めている。


その2.依存の罠

 

(リアルタイム型チャット依存、メッセージ型ネット依存の研究内容に触れた後で)
私がここで考えたい依存の罠は、もっと幅広い。インターネットの日常化に伴い、何かあると無意識に検索し、他者の情報を丸呑みしてしまうようなイメージである。また、LINEやFacebookの相手と常につながり、期待している何がしかの反応がないと、いらいらして落ち着かない状態

(86ページ)

依存の罠に陥ることによって、著者は大きく2つ失われることがあると述べている。

1.時間の損失
ネット依存により、自己コントロールできなくなる時間の損失

2.精神的コントロール
思考を他者や外部に依存することは楽だが、自分で何とかできる範囲がどんどん限られてくるとともに、「同調の圧力」に陥りやすくなる

日常的な依存は、習慣化しやすいことや、一度身を委ね始めるとなかなか元に戻れないと意識しておく必要がある。


その3.疲労の罠

webronza.asahi.com

ソーシャルメディアは、人間関係に直結するものだけに、コミュニケーション不全に伴うストレスはバカにできない。酷いものになれば、「うつ」にまでなってしまう。最近、精神科を訪れる患者の中で、ソーシャルメディアによる関係の不和や、ストレス過多によるものは珍しくないという。

(88ページ)

著者が行った独自調査では実際にこのような結果が出たようである。

問:ソーシャルメディア(LINE、Facebook、Twitter)を利用していて「疲れ」を感じるか?
■SNS別、疲れを感じると回答した割合
LINE 31%
Facebook 16.7%
Twitter 12.0%

※調査対象:スマホ利用者(東京、神奈川、千葉、埼玉在住の電車利用者)20代〜50代男女 合計600名

ソーシャルメディアで「疲れ」を感じる傾向は、人間関係に関わるものが多いのではないかと予想が成り立つ。
現に、30代以上は、半数以上がつぶやかない「読むだけ」ユーザーであるTwitterでは、「疲れ」を感じる割合がかなり低い。

ソーシャルメディアによる「疲労の罠」とは、相手とのやり取りにおける誤解や考え方のブレ、気疲れが蓄積し、関係を維持することへの負担が生じることによってもたらされると考えることができるそうだ。

ソーシャルメディアでは、誤解や考え方のブレに基づくストレスが、精神的な疲労をもたらしやすいことを、忘れてはならない。


その4.思考停止の罠

interiordesignerchat.com

ソーシャルメディアを通して他者または外部の雑多な情報を多く委ねたり、自分の内面を通して軌道修正する機会を失ったりと「思考停止」を誘発しやすい状態につながっていると考えることができる。

(96ページ)

先ほどの調査結果によると興味深い結果が出ている。

問:「Twitterの意見を参考にせずに自分だけで考える機会がある」
20代 39.1%
30代 53.8%
40代 40.0%
50代 43.2%

逆に考えれば、概ね利用者数の約半数は、何かを考えるときTwitterの助けを得ていることになる。

この調査結果のフリーアンサーでは次のようなものが挙げられる。

「すぐに検索し調べるようになった」
「自分で考えるより先に、調べてしまうことが多くなった」
「ネットで口コミを見てから買い物をするようになった」
「判断基準にネットを使うようになった」
「読書力が落ちた。暗記する力が落ちた」

Twitterなどに耳を傾けすぎることによって、自分の内面と向き合うことを避けがちにもなってしまう。
先に述べたように、約半数のTwitter利用者が「自分だけで考える機会」をなかなか持っていない。
ともすれば、自分にとって都合の良い、耳障りの良い情報しか受け入れられなくなってしまうのも無理がないともいえる。


ちなみに、著者自身ソーシャルメディアはほとんど活用していないそうです。どんなものかを知っている程度で、ゼミの学生から教えてもらうことも多いとのこと。
「ソーシャルメディアへの思い入れがない人間が、一定の関心からソーシャルメディアの実態を眺める、観察記のようなものだと思ってももらえたら」とのことです。
ソーシャルメディアの罠 (フィギュール彩)

著者紹介

 宮田 穣
宮田 穣
相模女子大学人間社会学部社会マネジメント学科教授。専門は、コーポレートコミュニケーション、企業の社会的責任、NPO論、企業広報、行政広報、組織内コミュニケーション論など。



科学・IT #ソーシャルメディア #依存症


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