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「ロボット×人工知能」のテクノロジーが雇用の75%を奪う

アメリカで大反響を呼んだ問題作!「失業状態が永遠に続く社会が到来する」「高賃金の知識労働者こそ危ない」「オフショア化された仕事はやがて機会化される」。テクノロジーが雇用の75%を奪う。
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テクノロジーが雇用の75%を奪う
テクノロジーが雇用の75%を奪う
著者:マーティン・フォード < 朝日新聞出版 >
機械は人間に代わって労働することはできるが、消費することはできない。消費者を失った大量消費市場はやがて破綻するだろう。

テクノロジーが数十年後の雇用にもたらす影響

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総合的な能力や知性の点で、コンピュータがいつ人間に追いつき追い抜くのか。その可能性に考えをめぐらすのはコンピュータ・テクノロジーの分野で働く者にとって日課である。

2007年に開催された業界会議で、GoogleのCEOラリー・ペイジは、「Googleには人工知能の開発に携わる人間がいて、しかも大規模に開発を推進している。実現は世間が考えているほど遠くない」と語った。

発明家、作家、未来学者で有名なレイ・カーツワイルは、「コンピュータは2029年の時点で、少なくとも人間と同等の知性を獲得している」と断言した。

機械は真に「知性」と呼べるものを獲得するのだろうか。その見通しについて保守的な専門家がいる一方で、数年先、数十年先、コンピュータやロボットの能力や適応力が劇的に向上している点については疑問の余地はない。

肝心な点は、加速するテクノロジーの発達がどのような経済的影響をこれから数年先、数十年先の社会にもたらすかである。


テクノロジーがもたらす自由経済市場の崩壊

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機械やコンピュータが、ごく一般的な労働に携わる平均的な人間の能力に並び、あるいはそれを超えた場合、どんな影響を経済に与えるのだろうか。雇用市場は、その影響に敏感に反応する分野であるのは間違いない。

経営者の立場になり、生身の人間を雇い入れることにともなう問題を考えてほしい。長期休暇、安全規則、病欠、給与支払税、出産休暇などが挙げられる。
だが、人間と同程度のレベルで日常業務をこなせる機会が手ごろな価格で用意できるとすれば、考えた末に経営者は機会と人間のどちらを選ぶことになるだろうか。

たとえ、人間並みの知能を獲得できなくても、限られた特定領域の作業なら、コンピュータはその能力を今後もさらに高めていくはずである。平均的な人間によっておこなわれる現実の日常業務のほとんどは、人間の全面的な知性などまったく必要とはしていない。大方の仕事が退屈であるのもこれが理由である。

hatena.ne.jp

コンピュータが世界有数のチェスプレーヤーに勝てるなら、ありきたりの日常業務など、開発にさほど手間取らずに処理できるようになるのではないか。実際にこれから10年あるいは20年のうちに、機械は特定の専門分野においてはさらに高度な知性を獲得していく。そう予想できるだけの充分な根拠がある。

歴史的に見れば、テクノロジーと市場経済が一つになることで、一定の豊かさをもたらしてくれた。ただ、この組み合わせは「常に当てはまる」と言い切れるものなのだろうか。そうしたシステムを構築して、任せておけば済むという程度の問題ではないはずである。

私たちが現在考えるような自由経済市場は、それだけでは実際に機能せず、労働市場が活発に機能してはじめて成り立つ。経済活動を通じて生産された財・サービスのすべては、それを消費する人たちに購入され、購入に必要な所得は「雇用」を主な仕組みにして分配される。

いまは人間によっておこなわれている仕事の大半が、ある時点を境に機械によって永遠に奪われるような事態に陥れば、経済システムの基盤そのものが脅かされる。


テクノロジーがもたらす「労働集約型産業」と「資本集約型産業」の転換点について

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「労働集約型産業」と「資本集約型産業」を両極にして、そのあいだに広がる領域にはいろいろな産業が分布している。現在の経済では、労働集約型産業の典型は、小売や病院、あるいは零細企業部門に属している。スーパーマーケットやチェーンの小売店、レストランやホテルは、多数の従業員を雇い入れなくてはならない。

一方、資本集約型産業の場合、従業員は比較的少なく、その代わりに最先端の機器や装備、またコンピュータ・システムといったテクノロジーへの投資が求められる。半導体メーカー、バイオテクノロジーやインターネットを基盤としている、いわゆるハイテク産業はいずれも資本集約型である。

テクノロジーの進化とともに、企業のほとんどは資本を集約させていき、労働集約型は減少していった。テクノロジーによって新興の産業が勃興したが、そのすべてはほぼ資本集約型だった。

raitank.jp

例えば、2006年にGoogleに16億5000万ドルで買収されたYouTubeが分かりやすい例だろう。買収時のYouTubeは従業員60名、一人あたりの価値評価は2700万ドル以上となる。

また、生産性を向上させ、世界の先進諸国が豊かになったのも、高度なテクノロジーを導入してきたからである。新技術が産業界に採用されて生産はさらに効率的になっていく。

その結果、雇用調整がはじまるものの、結果として商品・サービスの価格は低下していくことで、消費者の懐のお金が増えていく。こうした消費があらゆる種類の商品を購入すれば、全産業が製造した商品に対する需要が高まっていく。

分かりやすく言うとこのような流れが起きている。

「生産性向上 → 商品・サービス価格低下 → 消費者のお金が増えていく → 消費が多岐に渡る → 産業が活性化する」

wsj.com

こうした産業のうち、「労働集約率」が高い産業は、上昇した需要に応じるため、さらに多くの労働者を雇用せざるをえない。その結果、雇用全体の安定が図れ、そればかりか雇用自体が増えていく。もちろん、労働者のなかには、意に沿わない転業を強いられる者もおり、高い賃金を得ていた製造業の仕事を追われ、それよりは低賃金の小売業に就職するということになる。

しかし、このプロセスは永久に続くものなのだろうか。テクノロジーが残存する「労働集約型産業」を侵食していった場合、いったいどの産業が雇用を失った全労働者を吸収してくれるのだろうか。

ホンビュー編集部

上の図を見てほしい。マクドナルドがグーグルのような数字になった場合、どんなことが起こり始めるのだろう。

常識的に考えれば、経済全体で平均以上の「資本集約型」へと変わるには、ある種の敷居のようなものが存在するのがうかがえる。そして、ひとたび平均以上の資本集約が実現されると、テクノロジーにより生み出された低価格は、その後、雇用を押し上げる要因ではなくなる。

この敷居、つまり「転換点」を超えると、経済を構成する産業は、オートメーション化によって失業した労働者全員を雇用する必要はなくなる。その代わりに、オートメーションへの投資を拡大して、需要に応じていくことが可能となる。

経済全体がこの転換点に接近した場合、いったいなにが起こると予想できるだろうか。この転換点の向こうには、自動化、機械化によって失業しても、それをすべて吸収できるだけの「充分な労働集約型」は存在しない。

私たちが目撃するのは、じわじわと増えていく失業者数と据え置かれたままの賃金、そして生産性(1人当たりの生産量)は大きく上昇していく。それもこれも、より”少ない労働者”で、”従来以上の商品やサービス”が生み出せるからである。


失業率75パーセントの未来

itmedia.co.jp

オートメーション化は、二つの側面から広く攻め込もうと待ち構えている。

一つは、向上や小売店、事務所や倉庫など労働者によって維持されている「定型業務」が、機械やロボットによってどんどん奪われていくこと。

二つは、機械によるセルフサービスへの転換という現在のトレンドが、今後ますます加速されていくこと。

この流れは、銀行のATM、スーパーマーケットの無人レジ、オンラインバンキング、音声自動応答システムなどですでに目にしている。こうした領域の仕事は生身の労働者の従事が欠かせなかったが、機械の登場で利用者が自律的にできるようなった。

この流れは将来さらに進み、モバイル機器と広がり、場所を選ばずに誰もが機械による自動化支援を利用できるようになるだろう。

テクノロジーの進歩は容赦なく続き、自由経済市場の誘因よって、民間企業は機械化による雇用削減の現実からは逃れられない。将来、相当な範囲で雇用が機械化された場合、なんらかの修正が実施されない限り、「現行の経済システムを今後も継続することは不可能」という事実を受け入れることになるだろう。


失業率75%のオートメーション化された世界は勿論悲観的な話だけではありません。自由市場経済を堅持するための「新経済モデル」への移行が必要だと著者はいいます。その中身について興味のある方は本書にてご確認ください。

紹介した書籍
テクノロジーが雇用の75%を奪う
テクノロジーが雇用の75%を奪う
著者:マーティン・フォード < 朝日新聞出版 >
販売価格を見る    Kindle版あり

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