心屋仁之助氏「好きなことをするには一番嫌なことをする」著書でそう言う意味とは?
著者:心屋 仁之助 (PHP研究所)
やりたくないことをやめることから、始めよう!テレビで話題沸騰中の人気カウンセラーが教えるサラリーマン、主婦でも自由きままに生きるコツ。
カウンセリング業を始める前の心屋仁之助氏とあなたは似ているかも?
「自分はこんなに頑張っているのに」「自分はこんなに我慢しているのに」楽しくない、報われない。
早朝から夜遅くまで、身を粉にして働いても、評価されない、恵まれない、楽しくない…
あなたにこんな不満はありませんか?
しかし、そんな「不平不満を言うことは悪いこと」だと、そんなことさえ抑えこんでいるかもしれません。
一方、その分の「不機嫌」を周りに撒き散らしているのかもしれません。
心理カウンセラーである著書の心屋仁之助氏は、かつてのサラリーマン時代を振り返って、自分がこのような状況でした。
嫌なことでも歯を食いしばって我慢し、一生懸命頑張れば、そのうち報われて、好きなことをして暮らしていけるようになると思っていたといいます。
しかし、心理カウンセリングの世界に転職し、「わがまま」「自分勝手」な仕事をして、つまり、好きなこと「だけ」して、嫌いなことは極力しなくなると、あることに気づいたとそうです。
それは、「努力=報われる」ではないこと。
そして、「努力しない=報われる」だったということ。
不思議なことに、あれだけ頑張っていても報われなかったもの、あれだけ我慢しても実らなかったものが、自分の創造をはるかに超える結果が出るようになったそうです。
と言われても、「努力しない=報われる」という意味はなかなか理解し難いですよね?
心屋仁之助が気づいた「努力しない=報われる」ということがどういう意味なのか、真相を3つのポイントにまとめましたので、次項から紹介します。
心屋仁之助氏が語るポイントその1「あなたは頑張っても報われない」
❝どんなに頑張っても、報われる保証はありません。
頑張らなければ、好きなことができない、と思っている限り、あなたは報われない。なぜなら、あなたは自分が頑張らなければ認められないと思っているから。「頑張らない私」には価値がないと思っているから。
だから死ぬほど頑張るんです。「私」の価値を認めてもらいたくて。❞
このように心屋仁之助氏は語っています。
どんなに頑張っても、あなたの価値は認められないといいます。たしかに、頑張って報われるのならば、すべての頑張っている人も報われているはずです。
でも、現実はそうとは限りませんよね?
逆に「頑張りが足りないから認められない」とも言い難い。
その原因を心屋仁之助氏は、
「あなたがあなたの価値を認めていないのに、人があなたの価値を認めるわけがないのです。」と言っています。
自分でさえ価値を認めていない人間のことを、他人が「すごいですね」と認めてはくれません。それは、「私が創ったこの器は全然価値がないんです。でもあなたはすごいと思って、大事にしてくださいね」と言っているようなもの。
もし、他人が評価してくれても、価値がないと思っているあなたにはそれを信じられないはずです。
あなたが勝手に頑張らない私には「価値がない」と思い込んでいるだけではありませんか?
どうせ価値がないんだし、と自分で自分を粗末にするから、周りの人もあなたを粗末にします。
「自分には価値がある」ということを信じるための第一歩、それは、「まずは頑張るのをやめることだ」といいます。
「頑張らない私」でも価値があるのだと実験してみることが大事だそうです。
心屋仁之助氏が語るポイントその2「好きなことをしていると、みんなが幸せになる」
心屋仁之助氏は「自分が思い切り楽しむことや、勇気を出して好きなことをすることが誰かの背中を押して、人生の道を開く」と言っています。
好きなことをやり続ければ、それを見た人たちが、その姿につられて、やりたいことをやる勇気を持ってくれる、というもの。
好きなことをすると、自分らしく生きられます。
好きなことをすると、人生が楽しくなります。
好きなことをすると、自由になります。
好きなことをすると、人に優しくなれます。
堂々と遠慮せず、やりたいことをやればいい。
みんなが勝手にやりたいことをやれば、みんなが幸せになります。
お互いに迷惑をかけ、お互いに助けあうのです。お互いに役に立つのです。
心屋仁之助氏が語るポイントその4「好きなことをするには一番嫌なことをする」
本当に好きなことをやろうと思ったら、人に迷惑をかけてしまうかもしれません。
人から避難されたり、嫌われたり、バカにされたり、妬まれたりする可能性もあります。
いや、可能性ではなく、確実にそうされます。
例えば、あなたが突然「会社をやめて、今日からミュージシャンをめざす」と宣言したら、どれだけの人が反対するでしょうか?「南の島で釣りをしながらブラブラして暮らす」と言ったら、頭がおかしくなったのかと思われるかもしれません。
心屋仁之助氏はこのように言っています。
❝好きなことをしようと思ったら、人に迷惑をかけて、嫌われる覚悟がいります。
安定を手放すとか、収入をなくすとか、築いてきた地位や立場を捨てるとか、とにかく一番恐ろしくて、絶対それだけではあり得ない、というところに飛び込まないと、好きなことをしては生きていけません。
つまり、好きなことをするには一番な嫌なことをしなければいけないのです。❞
反対に、「ラクなこと」というのは、人から嫌われないようにすることだといいます。人から批判されたり、憎まれたり、無能だと思われたりして、自分の周りに波風がたつのはラクな生き方ではありませんね。
だから「上手に嫌われないことばかり選んで逃げまわっていく」のがラクな生き方です。
でも、その生き方だと、いつも周りにふり回されてしまうので、自分を見失い、好きなことができないのではないでしょうか?
あなたがもし「ラクな生き方」ではなく、好きなことをして生きていきたいと思うのなら、「嫌われてもいい」「避難されてもいい」という「他人軸」のハードルを越えないといけないのです。
心屋仁之助氏は、働いていた会社という組織、所属、肩書、福利厚生、給料、安定を全部捨てたとき、死ぬほど怖かったといいます。でも、それがあるから今があるわけです。
そして好きなことをやり、言いたいことを言って、やりたいことをやると、世間から避難されたり、心屋仁之助さんを避難する人がたくさんあらわれることがわかったそうです。
でも、それを嫌がっていたら、好きなことはできません。
みんな「好きなことをして生きていきたい」と思うのに、それができないのは、『目の前の「嫌われる」という一番大きな問題』が乗り越えられないからだといいます。
❝好きなことをして生きていくのは、ラクをして生きることではありません。
「好きなこと」と「ラクなこと」は違います。
勇気を出して嫌なこと、怖いことを引き受けて生きていくことです。❞
とはいっても、好きなことだけして生きていっても「お金はどうするんだ!」「誰も働くなくなったらどうすんの?」といった疑問が湧いてくる方もいらっしゃるかもしれません。本の要約だけでは紹介できないことも多く書かれていますので、気になる方は本書を手にとってご確認ください。
著者:心屋 仁之助 (PHP研究所)
Kindle版あり