人工知能学会の人工知能権威が語る近未来を見てみたい!
著者:松尾 豊, 塩野 誠 (KADOKAWA)
人口知能の急激な進歩により、私たちの生活は今後20年で劇的に変化する。機械が人間を越えたとき….
そもそも人工知能(AI)の定義って?
まず人工知能って「AI」と呼ばれているけど、何の略かご存じでしょうか?
「人工知能」は英語で「Artificial Intelligence」と呼ばれており、「Artificial」とは人造の〜、人工的な〜という意味。
直訳すると「人造知能」「人工知能」となりますね。
1956年に「ダートマス会議」という発表会で初めて使われた言葉だそうです。
そこから研究が進めれていくうちに、現在「人工知能の定義」は「2つの流派」に分かれているようです。
1.強いAI
人間のような高度な知能、人間よりも賢い知能の実現を目指そうとする流れ。
2.弱いAI
現状のテクノロジーでは高度な知能は出来ないとしても、普通のコンピュータよりは知的で賢くみえるような仕組みを作っていくという流れ。
人工知能学会・人工知能の権威が語る近未来!交通渋滞や事故はなくなる?
人工知能の活用が期待されている分野としては車の自動運転技術。「自動運転車」が普及し、仮に自動運転車の「現在地と目的地」のデータを集める仕組みができれば「交通渋滞」「交通事故」を大幅に減らすことは可能だといいます。
ただ、技術的に可能な「自動運転システム」も、それに付随する”社会的な課題”が多く付き纏うそうです。
具体的には「自動運転車との事故により、相手が亡くなってしまった」場合。そのとき「遺族の感情」を考えると、「自動運転車だから仕方ない」で済むとは考えにくいようです。
そのためにも「自動運転の運営会社が遠隔で操作し、万が一の事故時は運営会社の責任となる仕組みが必要かもしれない」と語られています。
技術的には実現可能でも「他の問題を先にクリアにする必要がある」という問題があるようです。
人工知能学会・人工知能の権威が語る近未来!義務教育はなくなる?
今、世界中で「ウェブ系の教育サービス」が急速に伸びています。
世界的に有名な大学と提携しているケースも多く、アメリカの「スタンフォード大学」「ミシガン大学」、日本からは「東京大学」も参加しているサービスもあります。
また「経済、物理、科学、歴史などの授業を無償で受けることができるサービス」も注目を集めるようになりました。
教育の分野にも「人工知能」が活用されるようになると、何が起こるのでしょうか?
例えば「算数のこの種類の問題が不得意」というデータ解析から、「学習レベルに沿った問題を提供すること」が可能となります。
また「人工知能をコーチとした学習システム」の場合、学年で横並びに学習する必要性はなくなるかもしれないと言われています。
“個々のレベルにあった学習”が可能となるため、優秀な子どもは周りのレベルに合わせる必要なく、「できる子ども」は”どんどん先に進む”ことができます。
一方、「学習についていけない子ども」に対しても、蓄積されたデータから”できない課題の反復学習”によってフォローが強化されることも考えられます。
「個人のレベル」と「その環境に合わせたウェブ学習」が可能になったとき、”学校”や”学年”というあり方を考え直す必要があるかもしれません・・・
人工知能学会・人工知能の権威が語る近未来!遺伝子解析で病気を予測!?
最後に「人工知能」を活用したテクノロジーによって「病気を予測できる未来」も近づいているようです。
具体的には「遺伝子データ」と「診断データ」を組み合わせ、事例をベースにしたり、要因間の関連性、確率の計算が可能になるということ。
わかりやすく言うと”Amazonで買い物をする”ときに「あなたへのオススメ商品」が出てくるかと思いますが、遺伝子のデータから病気になる確率を求めることと、購買履歴からのその人ににあったレコメンドは同じようなものと解釈できるようです。
「人工知能」の研究によって、「国の医療負担」を減らすことができる世の中が近づいているのかもしれません。
著者:松尾 豊, 塩野 誠 (KADOKAWA)
Kindle版あり