プレゼンを成功させるテクニックはたった一つ。バスガイドを真似ろ!
人前に立つと話す内容を忘れそうで緊張したり、話を理解してくれてるのかリアクションがないので、これでいいのかなーなんて途中で思ってしまったりしますよね。
そんな私がなるほどなーと感じた本が『バスガイド流プレゼン術』。この本は、プレゼン講師をしていた著者が、バスガイドさんの『プレゼン力』の高さに衝撃を受け、それ以降『高いプレゼン力』の秘訣を探り続けて出した答えがこの本なんだそうです。
スティーブ・ジョブズのプレゼン動画を見て影響を受けるより、この本を読んで、バス旅行に出かけた方がプレゼン力がアップするかもしれませんよ!
著者:伊藤誠一郎 (CCCメディアハウス)
なんと、あの『はとバス』さんが協力しています。
プレゼンとバスガイドは一緒?
(プレゼンテーションの)最適な見本が、旅(バス旅行)とバスガイドさんです。
「結局のところ、プレゼンテーションは旅、プレゼンターはバスガイドさん」というイメージを持てれば、わかりやすい伝え方に必要なポイントが、シンプルに整理できるようになります。プレゼンターとバスガイドの共通点
「プレゼンターはバスガイドさん」っていう表現で考えれば、プレゼンをもっとシンプルに考えられそうではないでしょうか?
プレゼンには、細かいテクニックが山ほど紹介されており、プレゼンに関する書籍も数多く存在します。そのため多くの方は、プレゼンのテクニックに魅了され、聞く相手に対して本当な大事なことを伝えることができていないのかもしれません。
著者は「プレゼンターはプレゼンテーションという旅の案内役である」といいます。
つまり、プレゼン内容の「なにがテーマなのか」「どこへ向かうのか」「なにが見どころ・楽しみどころか」という3つの要素によって、旅というものが成立し、「旅行客は、その3つの要素に基づいて旅を満喫する」とされています。
旅全体を通してテーマは何なのか、どこを通ってどこを目指すのか、それぞれの観光スポットでは何が見どころ・楽しみどころなのか、これらのことをしっかり伝えることで旅を作り上げていくのです。
プレゼンターとバスガイドの共通点
プレゼンは「観光スポット=見どころ」を意識してシナリオを作る
旅には必ず出発点があり、いくつかの観光スポットを巡って終着点を目指します。終着点に辿り着いたときに、「心の底から楽しかった」と旅行客に旅を満喫してもらえるよう、一つひとつの観光スポットを進んでいきます。
観光スポットを意識してシナリオを作る
旅行では、最初に訪れる場所はいわばその度の入門といわれるような気軽なスポットであったり、昼食を挟んでじっくり楽しむような観光スポットも用意されています。
そして、旅の締めくくりは、ショッピングができたり、お土産を買えるようなポイント、記念写真を取ることができるポイント。
全体的に、短い時間でいかに観光客を楽しませることができるかを考え、旅のしおり(シナリオ)が作られているものです。
プレゼンもまったく同じ。
いつもプレゼンをするときに、プレゼンする相手(観光客)が、論点を理解し(観光スポットを楽しみ)、論点をゴールに導く(観光客が良かったと思う)ように、シナリオを作っていますか?
プレゼン資料と旅のガイドブックは同じだと考える
ガイドブックには写真や図、マップなどが効果的に使われています。
今回の旅は、山の中にどんどん入っていくのか、海沿いをひたすら駆け抜けるのか、その土地の名物は何なのか、お昼はどんなご馳走が用意されているのか、どんな宿に泊まるのかなど、誰でも一瞬で理解できるようになっています。プレゼン資料は旅のガイドブック
例えば、旅のガイドブックにバスガイドさんや、観光案内役の人が話すセリフがびっしり書かれていたら嫌ですよね?
観光客は自分の頭の中でイメージしたいので、文字ばっかりが目に入ってしまうガイドブックは魅力的ではありません。
それと同じように、プレゼン資料も右脳を刺激するように作ることが大切だそうです。
プレゼンの事前練習はこうやる!
バスガイドさんは皆さん、血の滲むような努力をしていました。会社の研修で使われるテキストはもちろん、旅行関係の本や雑誌を自分で購入して、それを切り貼りした専用のノートを作って覚えるという人までいました。
プレゼン練習は案内する姿をイメージして
バスガイドさんが、ずっと旅行のしおりを見ながら、観光案内していたら嫌ですよね?
「右手をご覧ください。・・・・・あれっ?もう通り過ぎてしまってました!」みたいに、要所も抑えられていないガイドさんなら、金返せ!なんて言われそうです。
本書には「はとバス」のバスガイドさんのインタビューも掲載されていますが、プロ意識がすごい!
皆さんも記憶にあると思いますが、「あちらに見えますのが・・・」という見どころの案内では、「◯◯山は標高△△メートルで・・・」「◯◯橋は△△年に建設され・・・」といった、数字から歴史的な背景まですべて完璧に暗記されています。
著者はプレゼンも同じように、事前準備、事前練習は同じくらい努力しなければならないといいます。
それでは具体的にどのようにプレゼンの練習をすればよいのでしょうか?
ここで著者は「歩きながらの通し練習」を推奨されています。
あえて散歩しながらや、家から駅までの通勤途中でプレゼンの練習をすること。
■歩きながらのの通し練習で得られる効果
①聞き手をまっすぐ見て話すバスガイドスタイルが本当に取れるか
→外を歩きながらであれば、手元の資料を確認することができないので話す内容が頭に入っているか確認できる
②周囲の環境に左右されず自分の発表に集中できるようになる
→外を歩けば景色が変わり、いろんな情報が飛び込んでくる。その中でも集中してプレゼンができるかチェックできる。
③歩くことによって頭の回転と言葉のリズム感が生まれてくる
→身体を動かしながら練習すれば、躍動感のあるプレゼンテーションが自然と身につく。
台本作りと時間を区切っての練習が終われば、思い切って外でプレゼンの練習をしてみましょう。
今までプレゼンテーションのテクニックを追いかけていた方は、バスガイドさんをイメージしてシナリオ作り、資料作り、練習を繰り返せば、より魅力的なプレゼンができるようになるのではないでしょうか。
紹介した書籍:バスガイド流プレゼン術 天才ジョブズよりも身近な人に学べ