未来を生きるために、ちきりんさんの本「未来の働き方を考えよう」から学べること

「変化を恐れて過去にしがみつくのではなく、変化を前向きに受けとめ、新しい時代の可能性を楽しもうとする姿勢が重要」だとちきりんさんは言います。激変する社会を楽しく、ワクワク、生き抜くために必要な考え方を学びましょう。
まとめる書籍

未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる
未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる
著者:ちきりん (文藝春秋)
関西出身。バブル最盛期に証券会社で働いた後、米国での大学院留学を経て外資系企業に勤務。2010年に退職してからは文筆活動や対談…


ちきりんさんが指摘する「産業革命に匹敵する社会の変化」とは?

all-len-all.com

これまで「想像もできなかったような革新的な技術の登場」「驚くべきスピードで進行するグローバリゼーション」の潮流によって、国と国とのパワーバランスが大きく変わろうとしているそうです。

その変化とは一体なんでしょうか?
以下、これから起こる「3つの変化」について紹介します。


ちきりんさんが語る世界の変化その1.IT革命によって大組織から個人へ

tmglobalist.org

「IT革命」という言葉が使われ始めてからもう10年以上が経過しています。ちきりんさんもここ数年前までは「革命と呼ばれる理由」が分かっていなかったそうです。

しかし、最近「圧倒的な力をもっていた国や大企業などの大きな組織から、今まではそれらに従事することしかなかった個人や、個人が集まっただけのネットワークへパワーシフトが起こっている」と指摘しています。

その最も象徴となった「ウィキリークス」の登場だといいます。次々と国家レベルの外交機密を公にし「世界各国の権力者を慌てさせた」のを覚えていらっしゃる方も多いかと思います。

また、アラブの春のように、武器も持たない貧しい人たちが「国家に勝利すること」を助けたのは、FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアでした。

ソーシャルメディアで繋がった「個人の集まりが権力者を打ち倒すこと」となった顕著な例です。


ちきりんさんが語る世界の変化その2.グローバリゼーションによって先進国から新興国へ

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ちきりんさんは2005年9月に「日本に生まれたというだけで、世界から見れば富裕層だ」として次のように書かれています。

❝世界の人工のうち「今日は何を食べる?」などと言えるのは、60億人中、先進国の人と中心国の富裕層など10億人程度だけです。地球上の6人に1人です。残りの人たちは、今日の夕食に選択肢があったりはしないのです❞

ところが一転、その6年後(2011年10月)には

❝先進国生まれという既得権益は、いままさに失われつつある❞

と、一転した内容の記事を書くことになったそうです。2011年にそのような先読みをされているのは凄いですよね?
現在、中国、香港、インドネシア、マレーシア、タイ、インドなどのアジアの各国の都市部で働く人々は、今や日本人の中間層をも凌ぐほどの生活水準になっています。

グローバリゼーションとは”世界がつながること”ですが、ちきりんさんが当時のブログで書いたことが、ここ10年で急速にグローバリゼーションが進んでいるようです。

そして、グローバリゼーションによって世界がつながり始めると「他国にはない制度や考え方」を、一国内で維持することが難しくなります。貿易の自由化がモノの価格を国際的に平準化したように、制度や考え方も世界で統一されていくようです。

youtube.com

例えば、一部のアラブの国には「女性が車を運転すること」や、「男女が同じ部屋で働くこと」を禁ずる国がありますが、グローバリゼーションが進めば、こういったルールを維持することが難しくなります。

これは日本でも同じことが言えるかもしれません。日本国内で格差解消を唱える人は”正社員”と”非正規雇用社員”の報酬の差を「同一労働・同一賃金」という主張によって、格差を是正するように声高に叫びます。

しかしながら、分かりやすい例で言えば「工場を海外移転するメーカーの理屈」は、

「ベトナム向上での人件費は日本の10分の1だ。だから日本の向上は閉鎖する。同一労働には同一賃金しか払えない。そうでないと世界では戦えない」

となってしまいます。
労働面だけではなく「生活水準の格差は教育の格差」とも言われていますが、その「教育の格差」も解消されようとしています。

すでにネット上には、数学からプログラミングまで、動画で懇切丁寧に教えてくれる「カーンアカデミー」という無料の教育サービスが登場しています。新興国に生まれても、基礎的な教育を無料で受けることができ、さらに勉強を続けたければ、アメリカの一流大学の授業がネット上に無料で公開されています。

各分野の”専門的な論文”もネット上でアクセス可能となりつつあり、高度な教育を受けるためのコストは急速に下がっているようです。

appllio.com

さらに最近の動きでは、Googleが低価格のインターネット接続サービスを提供するための「人工衛星開発プロジェクト」を進めています。今までインターネットにアクセスさえできなかった人々も、世界中の情報にアクセスできる未来が近づいているようです。

教育を受ける機会が均等化すれば、人工の多い国でより多くの才能が生まれるのは当然のこと。
これまで先進国に集中していた世界一流レベルの頭脳や才能は、今後は新興国からも続々と出現することになるかもしれません・・・

高度に知的な分野においても、先進国の圧倒的な優位性は大きく揺らぐことになるようです。


ちきりんさんが語る世界の変化その3.人生の長期化によってストックからフローへ

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最後に3つ目は、人間の寿命が大幅に延びる可能性について指摘しています。

1963年には”153人”だった100歳以上の人口は、2012年には”5万人”を超え、10年後には”13万人”、2050年には”70万人”近くになると予想されているようです。

そのような世の中になると、どうでしょうか?従来のように「人生80年計画」で会社に勤めて、定年で退職して、退職金を貰って”悠々自適な生活”は何歳までできますか?

勿論、未来のことはわかりませんが、120歳以上の平均寿命が当たり前になるかもしれません。80カ年計画のお金のストックなんて、これからの将来は”アテ”になりません。

さらに「グローバリゼーション」が進んだ世界では、国の予算を”どれほど年金に割けるのか”など予想することすらできません。

ちきりんさんはそのようなストック型の人生ではなく「フロー型の人生」を推奨しています。

❝組織に属していなくても稼げる力」や、「年齢を重ねても新しいものに挑戦できる好奇心や前向きな姿勢」「見知らぬ人とも良好な関係を築ける人付き合いの能力」が、人生の豊かさを決めていく❞


いかがでしょうか?
来るべき将来に向けて「ストック」を備えることも悪くはありませんが、今日から「フロー型」の人生を選択していきたいものです。




紹介した書籍

未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる
未来の働き方を考えよう 人生は二回、生きられる
著者:ちきりん (文藝春秋)

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   Kindle版あり

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