世界62カ国で実証!遺伝子研究でわかった人間関係を改善する3ステップ
しかし、遺伝子レベルの根本的な欲求を理解すれば、「うまくいかないあの人」とみるみる人間関係が良くなります。
著者:青木仁志 (アチーブメント出版)
あなたの人間関係がみるみるよくなる!
本書のエッセンス「選択理論」で、 最高の人間関係を選び取るコツをお教えします。
1.人間関係がうまくいかない原因は「間違った常識にある」
突然ですが、あなたは職場でこんな経験はありませんか?
自分の仕事で一杯一杯のあなた。
残業も多く、目の前の仕事が山のように残っています。
そんな時、いつもムチャぶりの高圧的な上司から、
上司「おい!この仕事やっといて。明日までに!」
と大きな声で突然言われたあなたは、
あなた「は、はい…承知しました…」
なんて、答えてしまう。
あなたからすれば、上司から命令は断れない。
力関係上、仕方なく従ってしまっているかもしれません。
1−1.「本音」と「建前」が人間関係をもろくする
一見素直に「はい、承知しました」と受けても、それは建前というもの。
本音では、「急にこんな量の仕事を押し付けやがって!忙しくしてるのわかるだろ!」と、あなたは理不尽さを感じてるかもしれません。
一方、上司からすれば、「こうすればこいつはもっと鍛えられる」と、自分の指導法が一番、と思い込んでいるのでしょう。
こうした表に出ないお互いの心の食い違いから、人間関係に綻びが生まれるもの。
「本音」と「建前」が人間関係をもろくする
相手の気持ちを理解せず、何かを強制する人。
一方、その逆に相手の言いなりになってしまう人。
一見、正反対に見えますが、どちらも、思い通りにならない現実にフラストレーションを感じているという共通点があります。
そして、うまくいかない人間関係には、多くの場合、お互いの思い違いや誤解があります。
相手との衝突や対立を避けるためにふだんから無意識のうちに使っている「本音」と「建前」が原因のひとつである
内心とは裏腹に、力関係に応じて他人から言われることに従っている「ありふれた人間関係」を、あなたは演じてはいませんか?
1−2.なぜ、人付き合いが嫌になってしまうのか
私たちは、「自分は自分である」という確立する自己認識があり、「自分はこういう人間だ」という人生の証、プライドを誰もが持っています。
ところが、「親からの期待」「経済的な面から夫に従わざるをえない主婦」「雇用に縛られて会社の理不尽な要求を飲まざるをえない会社員」といった立場の人は、自分を押し殺して生きている人が多いかもしれません。
そのような人は、
「自分の人生は他人にコントロールされている」
「この不愉快な気持ちはあの人にせいだ」
このように考えてしまいがちです。
「自分の人生は他人にコントロールされている」と思い込んでいる限り、うまくいかないことがすべて他人のせいになります。それが、人間関係に不満を抱える原因です。
2.「行動のメカニズム」がわかれば、誰とでもうまく付き合える
周りの人との人間関係を良くするためには、「遺伝子レベルの行動メカニズムを知ること」です。行動メカニズムは、人間の遺伝子分析計画「ヒトゲノム計画」の研究結果から知ることできます。
2−1.私たちを動かす心のメカニズム
遺伝子のはたらきを示した「ウイリアム・グラッサー博士の選択理論」では、
私たちは、『生存・愛と所属・力・自由・楽しみ』の5つの心理的欲求を満足させるように遺伝子にプログラムされている
と表し、この5つの要求を基本的欲求と呼んでいます。
2−2.5つの心理的欲求
それでは、『生存・愛と所属・力・自由・楽しみ』の5つの心理的欲求を下記を挙げてみます。
1.健康でありたい「生存の欲求」
お腹が空いたら何か食べたくなる、喉が渇くと飲み物が飲みたくなる
2.愛し愛される人間関係を築きたい「愛と所属の欲求」
家庭、仲間、サークルなどに所属したい、大切に思う「愛着」を共有したい
3.より多くのものを手に入れたい「力の欲求」
「子どもに偏差値の高い学校に入って欲しい」「自分の話を聞いて欲しい」
4.物事を自分の思い通りにしたい「自由の欲求」
子どもが親や教師から「言うことを聞きなさい」と強制させるのを嫌う
5.楽しみ、学び、好奇心を満たしたい「楽しみの要求」
人によって、「スポーツが好き」「何かを研究することが好き」といった感情
2−3.人それぞれ欲求の強さが違う
人それぞれの趣味や好みが違うように、「5つの心理的欲求」の強さは人によって違います。この心のメカニズムを知ることが、人間関係を改善する第一歩です。
お互いの要求の満たし方について相手の話に誠実に耳を傾け、その欲求を満たすための方法を交渉する。
3.「習慣」を変えれば、人間関係はみるみるよくなる
一般的に「結婚適齢期」のカップルには、男女の喧嘩が付き物です。
その理由としては、
“愛と所属の欲求”が強いため、早く結婚したい女
“楽しみの欲求”が強いため、仕事や趣味を楽しみたい男
このように、お互いに「5つの心理的欲求」の強さが違いますので、その原則を理解しなければぶつかり合うのは当然です。
それを踏まえた上で、以下の2ステップを実践すれば人間関係はみるみる良くなります。
ステップ1.絶対にうまくいく身近な人との付き合い方
身近な人と良好な人間関係を構築するためには、5つの心理的欲求を理解し、まず「自分の欲求の強弱を知ること」です。
そのために実践することは、
ある行動をして気分が良くなったとき、その感情、つまり「どう感じたか」を記憶しておく。
また、その欲求が満たされたとき、気分がどれほど良くなるのかも覚えておく。
まず、自分の欲求の強さを分析してから、相手の欲求の強弱を少しずつ推測するようにしましょう。
ステップ2.人間関係を決定的に左右する「7つの習慣」
人間関係を悪化させる「7つの誤った習慣」があります。
あなたが無意識にしてしまっている項目があれば、人間関係を改善するために積極的に変えていきましょう。
「致命的な7つの習慣」→「身につけたい7つの習慣」
1.批判する → 傾聴する
2.責める → 支援する
3.罰する → 励ます
4.脅す → 尊敬する
5.文句を言う → 信頼する
6.ガミガミ言う → 受容する
7.褒美で釣る → 意見の違いを交渉する
致命的な7つの習慣を無意識に使っている人は、関係を良くするどころか、お互いの溝を深めてしまいます。最初は意識的に習慣を変えていけば、周囲の人と良好な人間関係を築けるでしょう。
まとめ.人間関係を良くする3ステップ
以上のことから、人間関係を改善するには3つのステップが必要です。
人から嫌われることを恐れず、本音と建前の人間関係をやめる
■第二ステップ
「5つの心理的欲求」を理解し、自分と相手の心理的欲求の強さを知る
■第三ステップ
「致命的な7つの習慣」を「身につけたい7つの習慣」に変える
人から嫌われることを恐れて、本音と建前を優先してしまう方には、ベストセラーになった「嫌われる勇気」というお勧め書籍があります。まとめ記事「すべての悩みの種は人間関係にあり?今こそ”嫌われる勇気”を持ってもう悩まない」を一読してみて下さい。
今回紹介した「選択理論」は、世界62カ国で「離職率」「離婚率」「犯罪率」が激減した結果が実証されている「人間の遺伝子研究」に基づいたアプローチです。
職場や友達、家庭などで人間関係に悩みを抱えている方は、積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか?