TPOに合わせて抑えておきたい!シーン別の話し方13選

社会人にもなると、時と場合に合わせた「話し方」が求められるもの。
例えば、「上司へ進捗状況の報告」するときの話し方と、友だちとお酒を飲んでいるときの話し方では、「伝えるべきポイント」や「話の内容を伝える順序」はまったく別物ですよね。いつもの話し方で報告をしていると、「結論から話せ!」なんて言われてしまいそうです。
今回は、「シーン別の話し方」を13場面に分けて「気をつけるポイント、意識して実践したいポイント」をまとめました。仕事や私生活でお役立て下さい。
まとめる書籍
これが「話し方」の基本です
これが「話し方」の基本です
著者:野村 正樹 (東洋経済新報社)
社会人になったら必読。シーン別、話し方の秘訣…性格別の話し方、タイプ別の接し方…76のポイントでみるみる身につく!

▼目次

  • 1.「あいさつ」と「返事」
  • 2.「電話」の話し方
  • 3.「指令・指示」と「依頼」
  • 4.「報告」と「発表」
  • 5.「あいさつスピーチ」と「自己紹介」
  • 6.「褒める」と「叱る」
  • 7.「クレーム対応」
  • 8.「相談」と「アドバイス」
  • 9.「自慢」と「説教」
  • 10.「雑談」と「うわさ話」
  • 11.「飲み会」と「食事会」
  • 12.「パーティー」と「接待」
  • 13.「デート」と「合コン」
  • 最後に.まとめ
  • 1.「あいさつ」と「返事」

     

    あなたが、道で知人と知り合ったとします。
    「こんにちは」とあいさつし、「こんにちは」と返事をする。
    それが会話のルールであり、あいさつと返事は、会話の基本・原点・出発点です。

    ポイントは次の「あいうえお」の心がけでしょう。

    ①あ=明るく(元気な声で)
    ②い=いつでも(誰にも)
    ③う=ウキウキ(嬉しく)
    ④え=笑顔で(微笑み)
    ⑤お=億劫がらずに(先に)

    あいさつの基本は、“感謝と喜び”を表現することです。

    2.「電話」の話し方

     

    電話において大切なことは、意思・情報を“直接”に“目の前にいない相手に伝える”こと。

    そのためには、4つの注意点があります。

    ①項目の事前点検(準備)
    ②要領よく伝える(短く)
    ③正確に伝える(正しく)
    ④相手への配慮(気配り)

    電話での注意点は自分だけではなく相手の時間を奪うということ。
    そのため、④の「相手の配慮」が大切です。

    電話の最初に「今、話しても大丈夫ですか?」「お時間はいいですか?」といった相手を気遣う一言を使いましょう。

    3.「指令・指示」と「依頼」

    職場で、あいさつと電話に次いで多いのが、「指令・指示」と依頼です。
    ここでのポイントはただ1つ。伝えたい内容を確実に相手に理解し、同意してもらう配慮をすること。

    正確・的確・具体的に相手に確実に分からせる

    そのために、気をつけるべきポイントは以下2点。

    ①相手の立場を尊重する
    ②「何を、どのように、いつまでに、なぜ」を伝える

    4.「報告」と「発表」

     

    会議や社内報告会などでは、説明や報告のスピーチを求められる場もあります。
    そのため、持ち時間は10〜20分が一般的。何人も報告する場では、次の4点について配慮が必要。

    ①とにかく簡潔明瞭に
    ②ビジュアルを併用
    ③畏まらずにカジュアルに
    ④絶対に制限時間を厳守

    内容を絞り込み、分かりやすい言葉で、分かりやすい説明する工夫が重要です。

    5.「あいさつスピーチ」と「自己紹介」

    スピーチも自己紹介も共通点は、「短ければ短いほど大歓迎!」というもの。
    次の3点への配慮が必要です。

    ①余分な前向きは不要
    ②話すポイントを絞り込む
    ③聞き手に興味・関心のある話題を

    「中身のてんこ盛り」も、「数多くの話題を分けて話す」も時間オーバーに繋がります。
    例えば、披露宴で新郎(新婦)を紹介するときに、「頑張り屋、まじめ、大食い」の3つが思い浮かんだら、どれか一点に絞ることです。

    6.「褒める」と「叱る」

     

    褒め方と叱り方には、2つの正反対があります。
    それは、前者は話し手も、聞き手も気分がよく、後者は逆。

    そのため、話す場所と対象を変える配慮が必要です。

    ①褒めるときは、大勢の前で。
    ②叱るときは、1人に向けて。

    場合によっては、個人の失敗や過ちを他山の石として、ほかのメンバーへの注意・警告を発したいときもあります。
    そのときは、3つのポイントを押さえましょう。

    ・本人だけを前に叱ったあとで、部会や朝会などの公式な場で全員に説明する
    ・個人を責めるのではなく、犯した行為のみを「全員の教訓」として伝える
    ・本人の反省を評価する

    叱るときには「これにくじけず、がんばれよ」
    褒めるときも「これに甘えず、さらにがんばれよ」の一言を添えることも大切です。

    7.「クレーム対応」

    ここでは「話し方」と「聞き方」の両方が大切です。
    次の5つのポイントに気をつけてください。

    ①どんな場合でもお客様の言い分に真摯に応対する
    ②低姿勢で冷静に対応する
    ③相手の話をゆっくりと聞く(途中で反論しない)
    ④こちらの言い分・説明もきっちりとする
    ⑤解決したあとのアフターフォローを忘れない

    厳禁は、責任回避と責任転嫁。
    「それは私の責任じゃありません」「悪いのは◯◯です」などの保身は、相手に見透かされて怒りを強めるだけです。

    8.「相談」と「アドバイス」

     

    相談を受け、アドバイスを求められるのは、自分への信頼の証拠。次の5つのことに心がけましょう。

    ①落ち着いて話せる場を設定してあげる
    ②相手の話を真剣に、徹底的に聞いてあげる
    ③関連する知識・情報の提供
    ④前向きなアドバイスを提示
    ⑤相手と同じ目線で親身になって相談に乗ってあげる

    一方的な説得や威嚇は禁物。年齢・立場の上下があっても、相談者とは対等の立場(同じ目線)で、自分のことのように親身になって考えてあげるのが優しさです。

    9.「自慢」と「説教」

    自慢と説教は、年輩者ほど多く、長くなるのが特徴。
    次の3点を守ることが鉄則です。

    ①聞き手に興味・関心がある
    ②長くならないように
    ③聞き手の自慢話にもふれる

    話す側は、自慢話を適度に終えたあとに、相手の興味分野に話題を向けてあげる配慮を忘れずに。
    聞く側は、ただ嫌がらずにポジティブに接する姿勢を持てば、新しい知識や、自分向上のヒントにもなります。

    10.「雑談」と「うわさ話」

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    平均的な事務系のサラリーマンの1日の仕事時間は7、8時間。ところが、ある調査機関がその内容分析をしたところ、半分以上の時間は無駄な時間だとの結果を得たそうです。

    その代表は、①無駄な仕事・行動、②無駄な長電話・打ち合わせ、そして③無駄話。この③こそが、「雑談」と呼ばれる会話ですね。

    友人や仲間との潤滑油になるケースもあるでしょうが、それだけでは時間のムダ。次の3点を心がけましょう。

    ①ほどほどの時間内に収める
    ②人の「良い面」についての話
    ③自分の糧となる話題選び

    これらの要素のカケラもない雑談は、まさにムダ話です。

    11.「飲み会」と「食事会」

    会社員生活に付き物なのが、飲み会・食事会。ところが昨今では、これを嫌う人が増えてきたようです。
    しかし、飲み会・食事会で上手に会話が進みさえすれば、勉強やインターネットにもまさる知識と情報がゲットできます。

    以下の5点を意識して飲み会・食事会に参加してみては?

    ①酒・料理を前に心のバリアが解かれ、本音や素顔が見える(人間観察)
    ②仕事以外の多彩な情報・知識が入る
    ③酒、料理の知識・情報を目と舌で覚えるチャンス
    ④インテリア、音楽、ファッションなどのトレンドも見える
    ⑤会話、対人関係力を磨くレッスン場

    まさに、活きた生活情報を仕入れながら会話力が磨ける贅沢空間!
    よりオフィシャルな場で物怖じしないよう、「飲み会」「食事会」で日頃から話術を磨いておきましょう。

    12.「パーティー」と「接待」

    得意先の接待や、取引先から招待される会食・パーティーへの参加も仕事の一部。
    接待の主催者は、次の点の配慮が必要です。

    【接待の主催者の場合】
    ①あくまでの賓客を立てる
    ②聞き役にまわり、相手から話題を引き出す
    ③楽しい会話がひろがるように明るさとユーモアを
    ④出された料理・酒を話題にするのも効果的
    ⑤参加者同士の紹介を
    ⑥接待役の社員ばかりで身内の話をしない

    一方、パーティー参加者は次の点に注意しましょう。

    【パーティー参加者の心得】
    ①参加者には積極的に話しかけ、あいさつを交わす
    ②とくに異業種・い業界の人と話す努力を
    ③話す相手を独占しない
    ④知り合いや仲間内だけで話さない

    パーティーは、新しい人と出会い、異なる知識・情報に接し、触発されるための環境です。

    13.「デート」と「合コン」

    livedoor.com

    多くの調査で「女性の好感度上位」に入る有名人は、よく喋る、お笑い系のタレントだということでも分かるように、雰囲気を楽しくし、楽しい話題提供をすることが大切です。

    ①相手を満足させる話題を
    ②楽しくさせる話し方で
    ③そのための準備・演出を

    デートにかぎらず、会話の原則でもあります。
    ただし、「何も話さない、話が退屈」なのが困るのと同様に「話しすぎ」も注意が必要。

    ・たまにのデートならいいが毎日会うのは疲れる
    ・見栄を張るような発言が多く、カッコつけている

    デートで大切な会話術は、相手を思いやり、素直で、等身大な会話をすることが大切です。

    最後に「まとめ」

    最後にシーン別の「話し方13選」をまとめます。

    1.「あいさつ」と「返事」
    あいさつは、「あいうえお」のポイントを心がけ、基本は、”感謝と喜び”を表現すること。

    2.「電話」の話し方
    電話は、「短く、簡潔に」伝え、相手への配慮を忘れない。

    3.「指令・指示」と「依頼」
    伝えたい内容を確実に相手に理解し、同意してもらう配慮。

    4.「報告」と「発表」
    内容を絞り込み、分かりやすい言葉で、ときにビジュアルを用いる。

    5.「あいさつスピーチ」と「自己紹介」
    短ければ短いほど大歓迎!

    6.「褒める」と「叱る」
    褒めるときは、大勢の前で。叱るときは、1人に向けて。

    7.クレーム対応
    真摯に応対。責任回避と責任転嫁は厳禁。火に油を注ぐことになる。

    8.「相談」と「アドバイス」
    アドバイスを求められるのは、自分への信頼の証拠。相談者とは対等の立場で、親身に考える。

    9.「自慢」と「説教」
    話は適度に終える。相手の興味分野に話題を向ける配慮を。

    10.「雑談」と「うわさ話」
    ムダ話で時間を潰すではなく、プラスの時間に変える。

    11.「飲み会」と「食事会」
    勉強やインターネットにも勝る知識と情報がゲットするつもりで。

    12.「パーティー」と「接待」
    身内の話をしない、身内だけで盛り上がらない。

    13.「デート」と「合コン」
    相手を思いやり、素直で、等身大な会話をすること。

    TPOに合わせて「話し方」を変えられるように、基本的なポイントは覚えておきたいものです。





    実用・スキル #話し方


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