えっ?英会話がジャズって?元外交官が教える明日から使える仕事術
「人と親しくなるチャンスは一回だけ?」「語学はジャズの即興?」
プロの外交官の頭の中を覗ける本のご紹介。
著者:宮家 邦彦 (幻冬舎)
外務省にて27年間務めた著者が語る「仕事術」
元外交官が教える仕事術【人脈術】「チャンスは一回だけ」と割り切る
著者が外交官時代「カイロ」「バグダッド」「ワシントン」「北京」に合計10年以上在勤した経験を通して「人脈は作ろうと思って作れるものではない」と言われています。
例えば、あなたが「人脈構築術」のようなノウハウ「機械的」に実践する輩を信用するでしょうか?すぐに「偽物」であると経験則上分かりますね。私たちは「偽った輩」を信用することはありません。
以上のことを踏まえて大事なポイントがあります。
①あくまで自然でいること
→自分とのコネ作りを狙っていることが見え見えの相手には心を許す人はいません
②相手との共通の趣味、興味、信条などで接点、共通点を探ること
→そのためにゴルフ、スポーツ、音楽など週末を利用して実際に楽しむことが大事
③あなたの話の中身を可能な限り面白く、内容を濃くすること
→相手がよく知らないような興味深い情報を「短時間で要領よく相手に伝えること」ができるようになる
これが実現できるようになると、相手はまた会いたくなる可能性が飛躍的に高まるようです。
元外交官が教える仕事術【語学術】語学はジャズの即興演奏
巷には「聞き流すだけで上達する」というフレコミの英語上達法があります。
しかし「聞き流すだけ・・・で外国語は絶対に喋れるようにならない」と著者は言います。
ではどうすればいいのでしょう。
著者は「語学はジャズのアドリブ演奏と同じ」であるといっています。
具体的に説明しましょう。
ジャズは古典音楽のように譜面を演奏するだけでは不十分で、曲が変わってしまうと楽譜がなければ演奏できません。ジャズのアドリブの基本パターンはざっと数百種類はあります。プロのミュージシャンであれば、これを12音階全てにつき完全暗記、反復練習はしているはず。
こうした基礎練習なしに、流れるようにアドリブ、即興演奏はできないものです。
このように「外国語もジャズとまったく同じ」といわれています。
「流れるように英語が喋りたかったら、しゃべる英語の1つ1つのフレーズを完全に暗記する」ことが大事。一度フレーズを覚えてしまえば、フレーズの順列、組み合わせを変えるだけで、新しい場面や状況にも十分応用することができるそうです。
「外国語をマスターしたい」と考えている方はぜひ参考にしてください。
元外交官が教える仕事術【交渉術】交渉前に勝負を決める
交渉とは、まずその最終目標を定め、そのための周到な準備を行い、相手と自分の力の差を正確に理解することから始まります。
その上で、「最終目標を達成するために必要あれば妥協してでも一気にまとめるべき」だと言われています。
成功する交渉とは「ちゃんとした理由があって成功するもの」
反対に、失敗する交渉のほとんどは「すでに交渉開始前に失敗は決まっている」と言えるようです。
交渉において、最も重要なポイントは「交渉の戦略的目標を定める」ということ。
ある程度大きな交渉ともなれば、当事者同士「求めるポイント」が多岐に渡り、交渉が迷走してしまいます。
そのため、論点が反れないよう「複数の関係者と事前に最終目標について了解を得ておく」ことが大事だと言われています。
「交渉の半分は目標設定で決まる」と著者はいいます。
元外交官が教える仕事術【発想術】国際情勢も予測できる「地政学」
「地政学」とは「国家の地理的位置関係が国際政治に与える影響を研究する学問」と定義されています。
筆者が国際情勢を先読みするために重視しているのが、この「地政学」とのこと。
地政学的発想でみると「地理的位置関係」が各国の情勢に影響を与えていると言われています。
これは「単純化した極論と批判がある」と前提としながらも、国際情勢の「大局観」は地政学的発想によって仮説を立てることを推奨しています。
著者:宮家 邦彦 (幻冬舎)
外務省にて27年間務めた著者が語る「仕事術」