『上場承認取消し』リッチメディアCEOの失敗を恐れない思考法
その代表取締役CEOであり、サイバーエージェント時代から「やったります男」のキャッチフレーズで有名な坂本幸蔵氏著書『「ズバ抜けた結果」を出す人の行動習慣』から、失敗を恐れない思考法をまとめてみました。
上場承認取消し理由が、「当社内部統制の有効性に関して確認すべき事項が発見」とのことですが、著者の主張を理解すれば「新規上場承認取消し」なんて、たいした失敗でもないと思えるかもしれません・・・。
著者:坂本 幸蔵 (日本実業出版社)
「一生モノの突破力」が身につく45の行動習慣とは
失敗が怖いのは「ズームイン」のせい
世の中には二種類のビジネスパーソンがいます。成功体験を重ねて自信を持っている人と、成功体験がなく自信を持てない人です。
あるいは、過小評価をしている人か過大評価をしている人のどちらかとも言えるでしょう。第3章 失敗を恐れない思考法
リッチメディアCEOである著者の坂本幸蔵さんは、このようなビジネスパーソンのことを「ズームイン」「ズームアウト」の概念で説明しています。
・できないところだけに焦点が合っていて、そのほかの部分が見えていない。
・たった一時点の成果だけで自分のことを有能だと思い込み、ほかの至らない点を見失っている。
「ズームアウトしている状態」
・過大評価でも過小評価でもなく、自分を客観視できている。
・やり続けられる、失敗しても行動を続けられる。
ズームインしすぎて「失敗するのが怖い」「無能と思われるのが恥ずかしい」と思って自信を失ったままにするのではなく、視点をズームアウトして「失敗さえもどこかのタイミングで生きる」と思えばいいのです。そう考えることができれば、実行しないことをリスクだと感じ始めることでしょう。
「ゴールピープル」と「リバーピープル」
ゴールピープル、リバーピープルという言葉があります。
ゴールピープルは、最終ゴールを明確に持ち、そこから逆算して現在の行動を決める人のことです。一方、リバーピープルとは、先にあるゴールよりも目の前の課題に賢明に取り組む人のことを指します。第3章 失敗を恐れない思考法
著者は「どちらがいいということはない」と前置きしたうえで、
「それぞれに一長一短があるので、それを理解した上で、どちらを自分がどちらを選択しているかを知っておくことが重要」だいいます。
目標がぶれない利点があるが、目標を見失ったときに脆い面がある。
■リバーピープル
目の前にある課題に必死に取り組める一方で、行動の目的が見えにくくなる。
目標を立てなければ即行動に移せない人は、ゴールピープル向きでしょう。
反対に、目標を立てることに満足して、何から手を付けたらいいのか分からない、やる気が出ないという人はリバーピープルのように目の前の課題に必死に取り組むことが大切。
人それぞれ向き不向きはありますが、今までなかなか行動に移せない!という課題をお持ちの方は、「ゴールピープル」「リバーピープル」という概念を知っておく方がいいそうです。
意見と改善策をセットで記録する
僕は、日報に意見と改善策を書きなさいと話しています。意見だけだとアクションにつながらないからです。
第3章 失敗を恐れない思考法
日報を丁寧に書いておくと、振り返ったときに、「このケースでは正しい判断をした」「的はずれな行動をした」ということまでわかるようになると著者はいいます。
つまり、日報によって、PDCAサイクルを回しやすくなるということ。
リッチメディアの中でも、日々変化している社員にはある特徴があるといいます。
それは、「日報に意見や改善策に加えて、自ら期限を区切り行動を記し、結果まで記入している」ということなんだそう。
お客さまとコミュニケーションがうまく取れていないのが問題(意見)。
情報提供メールを毎朝八時に送ります(改善策)。
これを明日から始めます(期限)。
上記のように、『意見』『改善策』『期限』を明確にすることがポイント。
やはり情報提供メールは効果的で、お客さまから『あれ、見てるよ』という声が増えてきた(結果)。
コミュニケーション手段として、みなさんにもおすすめです。(チームへの情報提供)。
情報提供メールも、ジャンルごとに分けてやってみようと思います(改善策)。効果はまた一週間後に(期限)
このように日報を書くことによってPDCAサイクルを回せるだけでなく、チームへの情報提供や、上司からの正しい指示を仰ぐことにもつながるそうです。
取り返せない失敗はない
かつて、僕はとんでもない失敗を犯したことがあります。
サイバーエージェントで内定者アルバイトをしていたときに、不動産会社A社に提出するはずのレポートを、誤ってA社の最大の競合先であるB社に送ってしまったのです。第3章 失敗を恐れない思考法
これにより、当初は数億円の損害賠償を提示されていたそうです。
しかし、その後、誠心誠意謝り続けることによって、損害賠償も請求されず、受注を貰えるようになったそうです。
自分の非をどれだけ深く認められるか、相手の立場に立てるかということで解決できると著者はいいます。
私は悪くない。市場のせい。組織のせい。他人の責任にしてしまうから謝れないのです。自分が同じことをされたらどう思うか。自分に置き換えて考えることが大切なのです。
坂本幸蔵氏は、「自分が同じことをされたらどう思うか、自分に置き換えて考えることが大切」と言っています。決して今回の上場承認取消し理由が、「自分が同じことをされても嫌ではないこと」だと信じたいですね。
紹介した書籍:「ズバ抜けた結果」を出す人の行動習慣