コミュニケーション下手でも、「アゴを合わせる」だけ相手が喋り出す不思議な魔法
一方、「話し上手」と言われ、人と話すのが好きだから営業や販売の仕事をしてみたけど「全然結果が出ない」という方。
もしくは、「沈黙恐怖症」だから一方的に話過ぎてしまう方。
自分から話さなくても、話し相手と「アゴの動きを合わせる」だけで、すべてがうまく回るかも。
今回は、『話さなくても相手がどんどんしゃべりだす「聞くだけ」会話術』という書籍を紹介します。3年間まったく結果がでなかった営業マンが、あるキッカケを経て、翌月にトップセールスに・・・。一体、どんな会話術を身に付けたのでしょうか。
NLPコミュニケーション講師・営業講師、コミュニケーション総合研究所代表理事。16年にわたるセールスマン人生において、約1万件を超えるプレゼンテーションを経験。スキルを体系化して、コミュニケーション総合研究所を設立。
とにかく話そうとするあなたは、コミュニケーションを勘違いしてませんか?
多くの書籍やセミナーでは、「話し方」を改善すれば、コミュニケーション能力は改善されると言われています。
また、営業先や来客してくるお客さんとの沈黙になるのは「良くない」という思い込みから、ひたすら喋ったり、話のネタを仕込んでいる方も多いかもしれません。
しかし、これらの「話し方信仰」には、大きな落とし穴があると著者はいいます。
というもの、相手に自分の意図するところが伝わらない、そのほとんどの原因は、話し方ではなく、「聞き方」にあるそうです。聞き方を改善すると、相手からどんどん話しかけてくれ、結果として、自分の話も聞いてもらえるといいます。
そう主張する著者は、何ヶ月もまったく売れなかった営業マンだったにもかかわらず、「ある技術」と出合ったことをキッカケに、翌月に営業成績全国トップになったそうです。
その「ある技術」である聞き方の奥義の一部を次章以降に3つ紹介します。
「聞くだけコミュニケーションの奥義」その1.「アゴ」を合わせる
ポイントその1は、「アゴ」を合わせることです。
「アゴ」を合わせるとは、話している相手と「アゴの動きを合わせる」ということ。
しっかりと相手のアゴの動きを観察し、動きを合わせることで、心の波長が合っていくそう。
そうすると、信頼関係が深まっていき、無理にしゃべらなくても、自然と相手が話し始めてくれるといいます。
「聞くだけコミュニケーションの奥義」その2:ひたすら「オウム返し」
ポイントその2は、「オウム返し」です。
これは、コミュニケーションの技術でも大事と言われることが多いですね。
コミュニケーションの基本は、まずは話を聞き、「相手を知ること」。
つまり、話を聞いて「相手のことを知る」ためには、「オウム返し」はとても効果的だといいます。
オウム返しの最もシンプルな方法は、語尾をつけずに「単語だけ返す方法」なんだとか。
「コミュニケーションはオウム返しするといいですよ」→「オウム返し?」という感じで。
このように「オウム返し」をする一番の効果は、話しを聞くことで自分の関心がどんどん高まって、「相手に興味が湧いてくること」なんだそうです。
聞くだけコミュニケーションの奥義」その3:小さく「仕草」をまねる
ポイントその3は、小さく「仕草」をまねること。
この「仕草をまねる」ことは、相手の姿勢や動きに、自分の動きを合わせることです。
例えば、商談の場で「自分も同じタイミングでお茶を飲む」ことや、お酒の場で「相手と同じタイミングでお酒を飲む」ことなどが挙げられます。
動作以外にも、例えば、”猫背”の人に対して、同じように姿勢を合わせると「共感や仲間意識」を持たせることができるんだとか。
もちろんこれら紹介したポイントは、前提として「相手に関心を持つこと」が大事だといいます。
テクニックだけに翻弄されてしまったら、相手に不信感を与え、逆効果になるので注意が必要です。
本書に登場する主人公は、著者の実体験がモデルになっています。実体験に基づき、「聞き方のノウハウ」を身に付けてから、営業成績を上げ、人間的にも成長していく主人公の姿が読む者の心を惹きつけます。そして、最後には涙なしには読みきれない感動ストーリーが・・・。
本書は「NLP」という心理療法のテクニックが紹介されていますが、出版会社がダイヤモンド社ということもあり、ベストセラーとなった「嫌われる勇気」と同じように読みやすく文章を構成されています。
営業や販売の仕事に携わる方だけでなく、日々コミュニケーションを行うすべての人に読んでもらいたいと思うような、ホンビュー編集部一押しの書籍です。
著者:松橋 良紀 (ダイヤモンド社)
Kindle版あり