相手に伝わる!8つの心構えと7つのプロセスで部下・後輩指導をマスターする
でもちょっと待って下さい。それって、相手が100%悪いのでしょうか?
もしかすると、あなたの指導方法が悪いかもしれませんよ。ここで改めて指導方法をおさらいしてみませんか。
著者:戸田 昭直 (中経出版)
上司の部下指導方法を全般的に書かれている本です。
教える技術を学ぶための八つの心構え(1)
1.十分な準備が、教える効果をアップさせる
何をどう教えるか?
⇒ 明確な方針がスタートの成否を決める
①Whom?(誰が教えるのか)
②Why?(なぜ教えるのか)
③Goal?(目標は何か?)
2.相手の仕事のセンスと適正を見抜け
部下の適正を見抜くことが教育の始まりである。
①覚えが早い
②仕事が早い
③仕事が確実
④仕事を工夫する
⑤仕事を楽しんでいる
⑥失敗を繰り返さない
⑦良いと思ったらすぐに行動に移す
以上に該当する人は仕事適正がある。
⇒ どのようなセンスや適性を持っているかを、的確に見抜いて教えていくことが重要
3.上手な教え方は、予備校に学べ
・学校の先生
⇒ 生徒に背を向けたままチョークで板書する
・予備校の講師
⇒ 黒板を見ずに板書し、生徒に集中力を切らさない。
教えられる側に飽きさせない努力をする。集中させるための技術を身につけることが大事。
4.問題意識をもたせる「なぜだ?」の精神
時代の変化に的確に対応していくためには、言われたとおりに仕事をこなすだけでは不十分
⇒ 問題意識をもって仕事上の問題を発見することが重要
「なぜだ、なぜだ」で根本から問い直す
⇒ なぜ?なんで?誰が?どうして? という質問攻めにして、マニュアルにはない回答を自分の頭で考えさせるようにする。
教える技術を学ぶための八つの心構え(2)
5.上司は有能なファシリテーターになれ
ワークショップなどの検収では、進行役の存在を忘れて打ち込めるようにする
⇒ 指導役は存在を感じさせないことが成功の秘訣
6.相手に伝わりやすいメッセージとは?
相手に上手に伝えることも教える場面では大切
①「何度説明したらわかるのですか」
②「もっと努力して下さい」
③「ずいぶん無責任なことをいいますね」
【相手に素直に伝える表現】
①「大切なことですから、しっかり理解してほしい」
②「がんばってもらえると、助かるのですが・・・」
③「あなたからそのような言葉を聞いてショックです」
7.感情をあらわにした言葉は後悔のもと
相手を責めているメッセージ表現では人は動かない
②提出期限を守れないのは、一人前の社員ではないと、私は思う
③どうやら私が何とかしてあげるしか、なさそうだね
相手を責める表現で「私は」を入れると気分が悪いと理解する。
8.メッセージを伝える場面を書いてみる
さわやかに伝える能力を身につける方法
①指導する場面で、どのようなメッセージを伝えるかノートに書き出す
②書いたメッセージを見ながら、その場面を想定し、声に出してみる。
③実際の場面で行ってみる
七つのプロセスを踏んで教える(1)
1.最初のプロセスは「言ってきかせる」
①目標を達成するメリットや喜びを説明する
②身近な例で説明する
③現状と目標との差を分析する
④目標は具体的に示す
⑤目標は数字で示す
⑥目標達成の期限を決める
2.モデリングで熟練したスキルを教える
①声をかけて、不安感を取り除く
②ゆっくりやってみせる
③いろいろな見せ方をする
④効果的なたとえ(比喩)を使う
⑤部下に質問、意見、感想を聞く
3.「やらせてみる」でレベルアップ
ロールプレイで体験した実感が、より高いレベルに引き上げる
①手順と役割をしっかりと理解させる
・役割の確認
・注意点の確認
②臨機応変に行う
・時間配分の調整
・突拍子もない質問をする
③ほめる
・スキルをほめる
・進歩をほめる
七つのプロセスを踏んで教える(2)
4.結果を伝えて次のステップへ
訓練の結果を部下にどう伝えるかで、もう一つ上へ進めるかどうかが決まる
①結果から何を読み取るのかを伝える
②数値で伝える
③評価項目を決める
5.自信をもたせる「ほめ方」の要点
責めるより前に褒めることが指導のポイント
①良い点をほめる
②ほめてから欠点を指摘する
③ほめるときは、具体的にほめる
6.一段上に上げるための適切な助言
改善点の適切な提示がレベルを上げる
①進歩した点を評価する
②改善点は、一つか二つに絞ること
7.目標設定の仕方で成否が決まる
フォローアップはこうして進める
①達成目標の優先順位を決める
②具体化な行動目標をつくる
③教育方法を考える
④実行計画を立てる
紹介した書籍:改訂版 相手がわかるように教える技術